2011-01-01から1年間の記事一覧

野矢 茂樹 『大森荘蔵 -哲学の見本』 講談社

哲学するとは、どういうことだろうか。 私に他人の痛みがわかるだろうか。自己と他者、物と心、時間など、哲学の根本問題を考え続けた大森荘蔵。その思索の道筋と魅力を野矢茂樹が余すところなく描く。 野矢 茂樹 『大森荘蔵 -哲学の見本』(再発見日本の哲学…

佐藤 正衞『素朴に生きる―大森荘蔵の哲学と人類の道』 成文社

佐藤 正衞『素朴に生きる―大森荘蔵の哲学と人類の道』成文社 (2009/10) 大森荘蔵全著作一覧大森荘蔵関連文献一覧

『大森荘蔵著作集〈第2巻〉 前期論文集 II 』

1960年代に発表された単行本未収録論文16編を収める.分析哲学とはいかなるものか,心身問題,哲学的認識と科学的認識との関係,論理学の性格,といった多様な問題に,切れ味するどく迫る.能うかぎりの徹底さで問題を抉りだす思考のスタイルと達意の表現と…

『大森荘蔵著作集〈第1巻〉 前期論文集 I 』

大森荘蔵は,物理学から哲学への道を歩み,アメリカ留学後,論理実証主義の旗手として,戦後日本の哲学界に登場した.本巻には,1950年代に執筆・発表された最初期の論文14編を収める.いずれも単行本未収録の入手困難な論文であり,われわれはそこに,大森…

大森荘蔵・坂本龍一 『音を視る、時を聴く哲学講義』

イメージは頭にあるのだろうか、それとも身体が感じるのだろうか、そして言葉はそれとどのようにかかわるのか。人は時間を、そして音をどのように知覚するのか、あるいは、それは客観的に計測できるのか。哲学や諸科学がさまざまに論じてきたこれらの問いに…

大森荘蔵 『時は流れず』

哲学・科学の根底にある「時間」概念を根底から覆し、フッサールやウィトゲンシュタインも解けなかった「他我」問題を解消、西洋思想の根幹としての「意識」の虚構性を暴くことによって、現代科学の隠れた陥穽を突く。画期的「自我論」への予兆を秘めた大森…

大森荘蔵 『時間と存在』

日常生活から出発する〈意味のシミュレーション〉の方法で、これまでの哲学や科学で論じられてきたさまざまな時間論、実在論を乗り越え、〈脳〉と〈意識〉をめぐる常識を根底から覆す、色即是空の実在論。 時間についての論考から始まり、重ね描きという概念…

大森荘蔵 『時間と自我』

日常性に依拠し、哲学の諸前提を覆してきた著者が、時間と自我という根源問題に挑む。「アキレスと亀の逆説」「他我問題」を解消し、過去世界の実在をも疑わしめる臨界へと至る、澄明な思考の軌跡。 日本哲学界の重鎮、故大森荘蔵による時間三部作の第一作で…

大森荘蔵 『知の構築とその呪縛』

16世紀に始まった科学革命は、世界を数量的に表現しようとする考え方をもたらした。けれども、それによって「心」に帰属するものが排除され、自然と人間の分離、主観と客観の対立が生じることになった。常識が科学へ展開していく不可逆的な過程で、何が生じ…

大森荘蔵 『新視覚新論』

戦後日本に、分析哲学、科学哲学の流れを根付かせた大森荘蔵。その哲学には、自らの現在生きている状況から哲学するという基本的な姿勢が見られます。(その意味では現象学的な立場に立っているとも言えるでしょう。)本書はイギリス経験論の古典バークリの…

大森荘蔵 『流れとよどみ―哲学断章』 

我々の日常生活の一コマを出発点に、物と心という二元論の解体を目指す大森荘蔵による哲学入門。文献中心主義に陥ることなく、まさに自分で額に汗して哲学することを体現した一冊です。新聞連載をまとめた本という性格上、ひとつの話題が3000字程度で読める…

大森荘蔵 『物と心』

大森荘蔵 『物と心』 東京大学出版会 1976 『大森荘蔵著作集4 物と心』岩波書店 1999 大森荘蔵全著作一覧大森荘蔵関連文献一覧

大森荘蔵 『言語・知覚・世界』

ギリシャ以来,哲学の中心的なテーマの一つであった存在と意識の関係の問題は,現在,自然諸科学の豊富な成果に直面して,人間のあり方についての思索の中での新たな定位を求められつつある.本書は,伝統的な,世界と意識の問題に,知覚の構造の緻密な分析…

大森荘蔵全著作一覧

『大森荘蔵著作集〈第1巻〉 前期論文集 I 』 『大森荘蔵著作集〈第2巻〉 前期論文集 II 』 『言語・知覚・世界』 (『大森荘蔵著作集 3』に収録) 『物と心』 (『大森荘蔵著作集 4』に収録) 『流れとよどみ―哲学断章』 (『大森荘蔵著作集 5』に収録) 『…

大森荘蔵関連文献一覧

佐藤 正衞『素朴に生きる―大森荘蔵の哲学と人類の道』成文社 (2009/10) 野矢 茂樹 『大森荘蔵 -哲学の見本』(再発見日本の哲学) 講談社(2007)

プラトン 『ゴルギアス』

立身出世の為だけになされる弁論術、実利のみを目的とした道徳心を批判し、個人道徳と政治について論じた『国家』における哲人統治の萌芽を見ることが出来る対話編です。加来 彰俊訳『ゴルギアス』(岩波文庫) 1967 加来 彰俊訳『プラトン全集〈9〉 ゴルギア…

プラトン 『国家』

国家による裁判によって処刑された師ソクラテスの姿をまのあたりにしたプラトンによる国家論であり長編対話編です。正義の徳の実現を、個々の人間の魂のあり方を越えて論じた哲人統治思想の名著です。藤沢 令夫訳 『国家 上巻・下巻』(岩波文庫) 1979 プラト…

プラトン 『エウテュプロン』

裁判にかけられるソクラテスがその道中、自らを起訴したエウテュプロンと議論する場面を描いた対話編。正義と不正、美醜、善いことの解釈をめぐって議論が展開され、「敬虔なるもの」についての考察へと至ります。今林 万里子, 松永 雄二,田中 美知太郎訳 プ…

プラトン関連文献一覧

プラトン全著作一覧

初期(主にソクラテスの姿を描く) 『ソクラテスの弁明』 『クリトン』 『プロタゴラス』 『エウテュプロン』 イオン ヒッピアス (大) ヒッピアス (小) ラケス カルミデス リュシス 『ゴルギアス』 メノン 中期(イデア論を展開) 饗宴 『国家』 クラテュロ…

プラトン 『プロタゴラス』

ソクラテスが、当時最も影響が強かった老練なソフィスト・プロタゴラスと直接対決する対話編です。「徳ははたして人に教えられるものか否か」という問いをめぐって、議論は進んでいきます。藤沢 令夫訳『プロタゴラス―ソフィストたち』(岩波文庫) 1988 藤沢…

プラトン 『ソクラテスの弁明』

法廷でのソクラテスの答弁を描いたプラトン初期の作品です。岩波文庫版には、裁判を終え、刑を待つプラトンと脱獄を勧めるクリトンとの対話編『クリトン』が収録されています。久保 勉訳『ソクラテスの弁明・クリトン』 (岩波文庫) 久保 勉訳『ソクラテスの…

アリストテレス 『ニコマコス倫理学』

アリストテレスが学としての倫理を体系的に論じた著作です。元々は『政治学』へと続く一連の著作だったようですが、昨今話題にあがることも多い「正義」について考える最初の一冊として、文句なくお勧めできます。高田 三郎訳 『ニコマコス倫理学 上巻・下巻…

アリストテレス 『形而上学』

「人間は生まれながらにして、知ることを欲する」の一言からはじまる。アリストテレスの主著『形而上学』、アリストテレス自身の存在論はもちろん、アリストテレスがそれ以前の自然哲学者たちの存在論を詳細に分析している点も魅力です。内容は意外に難しく…